キッチンシンクのコーティングで輝きは戻る?DIYで失敗しない条件と手順

くすんだステンレス製キッチンシンクの中に、光を受けて存在感を放つコーティング剤スプレーボトルが置かれている様子

キッチンシンクの輝きが落ちてきた!そこで「コーティングで戻るらしい」と噂で聞く。
でも本当に輝きは戻るのか? それ、やる意味はあるのか? 自分で施工して余計に汚くしたら目も当てられない…

ここでは、あなたのシンクがDIYコーティング向きかをまず判断しましょう。
そのうえで、必要な道具と失敗率が高まりやすいポイントを押えた手順をお伝えします。
施工後の手入れと、役立つ記録の残し方まで一本でつなげていきますよ。

時間がない人は、まず下の手順だけ先にどうぞ。

先にこれだけ(時間がない人はここだけ)

シンクの現状判定:白い輪ジミが多い→水あか/ベタつき→油膜/深い傷や剥がれ→コーティングより別手段
初手のシンク掃除:中性洗剤で洗って拭いて、見た目が均一で触ってザラつきが残っていないが合格
最短手順:洗浄→水あか or 油膜の除去→脱脂→完全乾燥→コーティング剤薄塗り→乾拭き
中止の判断:白くムラが出る・染みっぽくなる→上手く塗れてない→いったん止めて“試し塗り”で様子見
硬化時間の注意点:水濡れNGの時間はしっかり確保。時間は製品表示優先する

目次

キッチンシンクのコーティングでどこまで輝きが戻る?

コーティングは「新品の鏡みたいな仕上がりに戻す魔法」ではなく、汚れが付きにくくなって見た目が良くなるって方向性の手段になるんです。
そもそものくすみの原因が“汚れ・油膜・水アカの薄い膜”であるなら、コーティング効果は出やすいです。

コーティング効果の違い。これは最初に押さえておくといいですよ。

  • くすみの主因が汚れ・油膜 → かなり見栄えが変わりやすい
  • 細かい擦り傷が増えて白っぽい → ツヤは出るが、傷そのものは残る
  • 深い傷・剥がれ・サビ穴 → コーティングだけではキレイにならない

ツヤが戻るのは「汚れ落ち+薄い皮膜」が効いたとき

ツヤが戻るパターンは、だいたいこの2つがそろった時ですね。

1つ目は、洗浄と脱脂で「光をにごらせていた膜」が取れること。
2つ目は、コーティングが薄い皮膜になって、表面の状態をそろえること。

逆に、ツヤが戻りにくいパターンってのは「表面そのものが荒れている」ケースですね。
細かい線状の傷が多いほど、光が散って白っぽく見えるんですよね。コーティングで多少の見え方は変わっても、傷が消えるわけではありません。

水はじきが戻る仕組みと、期待できる変化

シンクに水をかけたときに水がベターッと広がらず”水滴が玉になって転がりやすい状態(撥水)”のことを水はじきといいます。

その水はじきが出ている間は、シンク表面が乾いたあとに残りやすい輪ジミや、水アカの“住処”が減るんですよね。
結果として、普段の掃除への負担が少しは減ります。

ただし、撥水が強くても「水滴が残りっぱなし」だと跡は出ちゃいます。

要は水はじきは万能ではなく、最後の拭き上げ作業とセットで効きます。

シンクコーティングのメリット・デメリット

あなたが得やすいメリットは、わりと実務的なものですよ。

  • 汚れが付着しづらく、落とすときも作業が楽
  • 水アカが固着しにくくなる
  • 見た目の“くすみ感”が減ることがある

もちろん一方で、デメリットもあります。

  • 下地作りがイマイチだとムラが出やすい(特に乾燥不足と油膜残り)
  • 施工直後に触ったり濡らしたりすると、仕上がりが崩れることがある
  • 普段のキッチンの使い方次第で劣化は進む(強い洗剤・研磨剤・こすり洗いが多いほど劣化が早い)

キッチンシンクのコーティングを、自分でやっていいのはどんなとき?

DIYコーティングがうまくいくか否かは、腕よりも「状態」と「段取り」で決まるんです。
まずは、ホントに自分でやっていいのか?を切り分けていきます。

判断に使うポイントはこれだけです。

  • シンク素材が何か
  • 表面に剥がれ・サビ穴・深い傷がないか
  • 作業場所をしっかり乾かせられるか(拭き上げと乾燥時間のキープができるか)

シンクの素材別の注意点

どんな素材でも“やり方の基本”は同じですが、注意点はそれぞれ違ってたりします。

  • ステンレス:DIYの相性は良い。脱脂と乾燥が甘いとムラが出やすい
  • 人工大理石:コーティング剤が染みやすいことがある。目立たない所で試してから本番へ
  • ホーロー:表面に欠けや剥がれがあると、その部分は上手くできない。強いこすり洗いは避ける

素材がはっきりしない場合は、キッチン取扱説明書や品番で当たりをつけてからの方が安全ですよ。

やめた方がいい状態(剥がれ・サビ穴・深い傷)

以下に当てはまるなら、コーティングを塗っても見た目はキレイにならないです…。

  • 剥がれ:剥がれ他部分に段差が残る
  • サビ穴:穴や腐食はコーティングでは塞げない
  • 深い傷:影が残ったり表面の見た目は均一にならない。反面、ツヤだけが不自然に出ることもある

作業環境の条件(換気・温度湿度・作業時間)

コーティングが失敗しやすいのは、作業環境の優劣による場合が多いんです。

  • 換気:脱脂剤やコーティング剤の臭いがこもるとつらい。窓を開けて風の通り道を作る
  • 手袋:皮脂が付くとコーティング剤の密着度が落ちる。肌荒れも避けられる
  • 混ぜない:洗剤や漂白剤を混ぜると危険なガスが出ることがある。今回は中性洗剤+脱脂だけに絞る

作業時間は「洗う→乾かす→塗る→触らない」の工程をじっくりゆっくり作業できる程度確保するのが理想です。
コーティング剤の硬化時間は製品で違うので、そこはパッケージの指示を優先しましよう。


キッチンシンクのコーティングに必要な道具と材料

道具は“高級なもの”より、ムラを出さないための道具が重要ですね。

コーティング剤のタイプ別(ガラス系/フッ素・樹脂系)の選び方

これは大きく2系統で考えると選びやすいですよ。

  • ガラス系(シリカ系など):皮膜がしっかりしやすい。ツヤ・防汚の体感が出やすい反面、下地が甘いとムラが出やすい
  • フッ素・樹脂系:施工が簡単で、失敗からの復旧もしやすい傾向。耐久は製品差が大きい

どっちがいい?で迷っちゃうなら、まずは「施工が簡単」「やり直ししやすい」フッ素・樹脂系の方から始めるのが無難ですよね。初回は完璧を狙うよりは、下地作りと乾燥に注力して時間をかける方が仕上がりが安定しますよ。

最低限そろえる道具(洗浄・脱脂・塗布・拭き上げ用)

まず揃えるならこのセットですかね。

  • 中性洗剤:汚れとヌメリ落とし用
  • やわらかいスポンジ:傷を増やしにくい
  • マイクロファイバークロス(2〜3枚):拭き上げ用。乾拭き用と塗布後用は分ける
  • 脱脂剤(アルコール系など):油膜の除去用(火気厳禁・換気必須)
  • 手袋(ニトリルなど):シンクに皮脂を付けない、手荒れを防ぐ
  • 塗布用のスポンジ/クロス:コーティング剤の指示に合わせる

「あってよかった!」作業がラクになる道具(マスキング・ライト・タイマー)

これらを使えれば、作業の失敗予防にもつながりますよ。

  • マスキングテープ:周辺の水栓・天板を汚さない
  • 手元ライト:光を当てるとムラが見えやすくなる。作業の精度を上げる
  • タイマー:塗布後の“必要な放置時間”を守りやすい

キッチンシンクのコーティングを失敗しにくく進める手順

いよいよコーティング作業の開始ですよ!
最大のコツは、実は塗る前にほぼ決まっちゃうんですよね。「塗布は薄く、下地は丁寧に」…これだけで失敗率がグッと下がるんです。

STEP1 洗浄:中性洗剤で“ヌメリゼロ”まで洗う

まずは中性洗剤で全体を洗い、ぬるつきや石けんカスを落としましょう。角や縁、排水口まわりは汚れが残りやすいので、スポンジの角を使って丁寧に洗います。

洗い終わったら、しっかりすすいで水気を拭きます。ここで汚れが残っていると、あとからムラの原因になっちゃいますよ!

STEP2 脱脂:油膜を消して密着を上げる

次に脱脂です。触って「なんとなく滑る」感じがあるなら、まだ油膜が残ってることになるんです。

脱脂剤は、クロスに含ませて拭く方が扱いやすいですね。塗り広げるというより、表面を均一に“さっぱり”させるイメージで進めます。
※脱脂剤は臭いが出やすく、引火もしやすいので、換気と火気ゼロは徹底しましょう!

STEP3 乾燥:水分ゼロがムラを減らす

ムラの原因で多いのが「水分の残り」なんです。水滴が残っている場所にコーティングすると、そこだけコーティング剤を弾いたり白っぽく見えたりするんです。

乾燥は拭き上げに加えて、しばらく放置して“見えない水分”も飛ばすようにします。シンクの縁や排水口まわりは特に残りやすいので、最後に乾いたクロスで追い拭きしましょう。

STEP4 塗布〜硬化:薄く塗る、乾燥時間を守る、触らない

コーティング剤の塗布は「薄く均一」が基本ですよ。広い面を一気にやるより、均等に区切って”区画ごと”に進めた方がムラになりづらいです。

作業の流れはこの順がいいですね。

  • 小さめの”区画”に薄く塗る
  • 製品に指示がある場合は、余分なコーティング剤を軽く拭き取る
  • 仕上がり面をライトをあてて見て、筋状があれば平らにならす
  • 乾燥・硬化は製品の表示どおりに時間を欠けて途中で触ったりしない

ここだけは妥協しない方がいいですよ。硬化前に水がかかったり、物を置いたりすると、跡が残りやすくなって仕上がりが悪くなっちゃいます。


キッチンシンクのコーティング後にやるメンテと記録

施工が上手く行った後は「長持ちさせる使い方」に切り替えていきましょう。

施工直後に避けたいこと(強い洗剤・熱湯・こすり洗い)

コーティング剤に完全硬化が終わるまでは、強い刺激を避けましょう。

  • 強い洗剤や漂白剤を使う
  • 熱湯を長く当てる
  • ゴシゴシこすり続ける

いつから通常使用OKかは、製品の表記を守ってくださいね。特に書いてないとかなら「触らない時間を出来るだけ長めに取る」方が安全ですね。

ふだんの手入れは「中性洗剤+拭き上げ」だけでOK

普段は中性洗剤で洗って、最後に拭き上げるって方法で十分現状をキープできますよ。

拭き上げの効果があるのは、

  • 水滴の乾き跡を残しにくい
  • 水アカの定着を遅らせる

です。

撥水悪くなってきたと感じても、まずは拭き上げの頻度を増やすだけで見た目が回復することがありますよ。

記録テンプレ(施工日・症状・使用洗剤・頻度)

次回のコーティングを実行する判断がラクになるので、メモだけでも残しておきましょう。ちょっと面倒なんですが、やっておいた方がいいよって作業ですね

  • 施工日
  • 施工前に気になっていた症状(くすみ/水アカ/ヌメリなど)
  • 使ったコーティング剤の種類(ガラス系/フッ素・樹脂系)
  • ふだん使う洗剤の種類(中性のみ、など)
  • 拭き上げの頻度(毎日/週末だけ、など)

キッチンのシンクのコーティングは必要?のまとめ。

キッチンシンクのコーティングで輝きは戻るのか? 

一般的にいわれる理由は、”汚れが付きにくくなって掃除がラクになり、見た目もキレイ”…という美しいものです。だけど現実は地味なんですよ。「新品みたいにピカピカになりますか」と聞いてくる人もいれば、「塗れば傷が消えるでしょ」と平気で思っている人もいるんですが、これがまた、消えないし傷は残るんです!

コーティングが有効なのは、くすみの原因が汚れや油膜、水アカの薄い膜だったときです。

そうじゃなくて、深い傷や剥がれ、サビ穴に対してのコーティング作業は時間と手間だけが消費される。しかも塗ってもあんまりキレイにならない。悲しいけど、そういうものなんですよね。

じゃあDIYコーティングは無理かというと、そうでもない所が悩ましいw

目標達成の分かれ目は塗り方のスキルより下地が重要。
中性洗剤でしっかり洗う。脱脂で油膜を消す。水分を残さず乾かす。あとは薄く塗って、乾燥・硬化の時間を守って触らない。これができないとムラが出るんですよ。でも、これができれば、だいたいあなたの目標は達成しますよ!

最後に、ホントにやるなら雑に終わらせない。
施工後の普段使いは中性洗剤で洗って拭き上げるだけ。施工日と症状、使っている洗剤や拭き上げ頻度をメモするって記録は地味だけど、次回のコーティング作業の指針にもなりますよ。

では、最後までお読みいただきまして、ありがとうございました!

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