キッチンのシンクのコーティング|下地づくりで失敗を減らす

シンクのコーティングって、なんとなく不安になりますよね。
でも大丈夫です。

このリードでは、「コーティング前に何を落とすべきか」「ムラや白化が起きる理由」「施工後にどう掃除すれば長持ちするか」を、などが判断できるようにまとめていきます。

油膜・水アカ・細かなキズなど、原因が違うと対処も変わってくるんです。
その見分け方がわかれば、余計な作業や失敗を避けやすくなるんですよね。

さらに、頑張ったけど仕上がりがイマイチだったときの立て直し方にも触れますね。
「やり直す方法」がわかれば、イザというときでも気持ちがかなりラクになりますよね。

目次

キッチンのシンクにコーティングする前に原因を切り分ける

キッチンのシンクの水はじき低下の理由・原因が違うと、それに必要な下地処理も変わってくるんです。
原因を間違えると、ムラや白化、コーティングがすぐ落ちる仕上がりにつながりがちなんです。

先に「油膜・水アカ・微細キズ」のどれが主因かを判定しましょう。
これの判断は短時間でできて、間違った作業を防ぐことができますよ。

シンクの水はじき低下の正体(油膜・水アカ・微細キズ)

最初に疑うのは、油膜(薄い油の膜)と水アカ(ミネラルの固着)なんです。
どちらも似て見えるんですが、落とし方と再発の仕方が違っているんです。
ここは間違わずに判断したいところですね。

油膜は指で触れると「ぬるっ」と感じやすいです。
水滴が丸くならず、ベタっと広がる感じになります。
洗った直後だけ良く見えるんですが、調理後に戻ることもあります。

水アカは乾くと白い輪や霞が出やすいですね。
表面がザラつくこともあって、水滴跡がいつも同じ位置に残りがちな印象です。

微細キズは、シンクを斜めから角度をつけて見たときに筋状の傷が薄っすら見えます。
そこには汚れが入り込みやすくなり、コーティングのムラも目立ちやすくなるんです。

夜→朝テストで「戻る汚れ」を見分ける

上でお伝えしたもので「結局どれかわかりづらい…」って思うかも知れません。
そこで、夜から朝の変化を見て主因を絞っていきましょう。

夜に一度きれいにして乾かし、朝の戻り方で主因を見極められます。
短時間でできるし、判断ミスを減らせるのが良いポイントです。

手順は3つです。
①夜、シンクを洗って水気を切る
②乾いた布で拭き上げ、完全に乾かす
③その夜はシンクを使わず、朝に観察することにします。

朝、白い輪や霞が“乾いた状態で”浮く感じなら、これ水アカです。
逆に、見た目は変わらないのに水がベタっと広がるなら、油膜が蔓延ってる可能性が高まります。

注意点があります。
夜、シンクを洗ったあとは水滴を残さず、しっかりと乾燥させる事が大事です。
でないと、判断材料としては不完全な結果になってしまいます。

拭き取りテストで脱脂不足を判定する

脱脂は、油分を取り除いてコーティング材の密着を安定させるための工程です。
ここが甘いと、コーティング剤を塗布しても弾きムラや筋ムラになりやすくなります。
せっかくやったのにムラが出ると、気持ちが折れること確実です…。

まず、テストは小面積で行いましょう。
目立たない場所を清潔な布にアルコール系の脱脂用クリーナーを少量含ませます。
そのまま一方向に拭きます。

拭いた直後に水を数滴落として、動きを見ましょう。
水が均一に広がったり、引いたりするなら脱脂が進んだサインです。
また、その逆なら油分が残っている可能性があります。

キッチンのシンクをコーティングする前の下地づくり

下地ってなんだか地味だけど、いちばん気を使うところですよね。
下地づくりは「洗浄→脱脂→完全乾燥」の順で行っていきます。

ここでは、素材を傷めない判断基準と、素材別に避けたいことを整理しますね。
仕上がりのムラや密着不良を、先回りして防げるようにしましょう。

洗浄と脱脂は「やり過ぎない」が正解

つい頑張ってこすりたくなる瞬間は誰にもありますけど、強くやり過ぎると、逆にムラの原因になりやすいんですよ。

下地つくりは「汚れを落とす」と「油分を切る」を分けて考えましょう。
同時に強くやると、表面だけ荒れてムラが出やすくなります。
せっかく丁寧にやったのに、結果が悪いってのはかなりつらいですよね…

洗浄は中性洗剤と柔らかいスポンジが基本です。
ぬるま湯(35〜45℃目安)で全体を洗い、泡が残らなくなるまですすぎますよ。

脱脂は乾いた面に行いたいんですよね。
なので水気をしっかり拭き取り、10分ほど換気してから、清潔な布に脱脂剤を少量つけて一方向に拭きます。
往復で拭いちゃうと、せっかく取れた油を塗り戻してしまう可能性があります。
シンク表面を「触ってヌルつきが消える」までできればOKですよ。

そして換気と手袋は必須ですよ〜。

ステンレスと人工大理石は同じやり方にしない

素材で「削れやすさ」と「薬剤の影響」が違うんです。
同じ強さでこすったとして、片方は平気でももう片方は艶ムラになったりします。
ここ、知らないと取り返しがつかなくなる場合も…

ステンレスは筋目(ヘアライン)があることが多い素材なんですね。
こするなら、その筋に沿って動かしていきましょう。
円を描くようなこすり方は傷が目立ちやすくなっちゃいます。
当然のことながら、金属たわしの類は避けましょう。

人工大理石は表面が比較的やわらかくて、細かな研磨でも曇りやすい素材なんです。
研磨剤入りスポンジやメラミン系での強い擦りは控えましょうね。
汚れは削ぎ落とすというより「洗剤で浮かせて拭き取る」を優先しましょう。

どちらの素材も、強い溶剤や複数の洗剤を連続で使うと変色や白化のリスクはあります。
洗剤を変えるときは十分に水洗いし、乾かしてから変えるようにしてくださいね。

乾燥待ちは削らない

乾燥待ちを端折って削ってしまうと、コートの密着不良と塗ムラが起きやすくなります。

水気は見えていなくても残ってたりします。
排水口まわり、角、立ち上がりの継ぎ目は特に残りやすい場所です。
タオルで拭いた後、送風か換気を10〜30分程度行いましょう。
冬や湿度が高い日は60分くらいやってもいいですね。

脱脂剤の揮発が不十分な時は白っぽい”拭き跡”が出やすくなるんです。
臭いが残っている間は、表面に揮発成分が残っている証拠なんです。
あせって先に進めず、じゅうぶんに換気を継続しましょう。

この待ち時間は安全面でも有効ですよ。
揮発成分が薄まると、目や喉への刺激が減ります。
火気を避け、別の薬剤を同じ面で混ぜない管理しましょうね。

シンクコーティングの施工手順

いよいよ塗る段階になりますよ!

下地の基本的考え方は上の方の《「キッチンのシンクをコーティングする前の下地づくり」》を参照してくださいね。
ここでは、塗る順番とムラの直し方、硬化中のNG行為を整理しますね。

ムラを出しにくい塗る順番(面→縁→排水口まわり)

まずは「どこから塗ればいいの?」と迷いがちな点から。

塗る順番は「広い面→立ち上がりの縁→排水口まわり」となります。
乾きやすい場所を後回しにすると、筋ムラが出やすくなるんですね。

シンク底をだいたい縦横30〜40cm角の区画に分けます。
あ、もちろんシンクはご家庭ごとに違いますので、大体でw
そして、1区画ずつ「塗る→ならす→軽く拭く」の流れで作業していきます。

塗布量は“薄く濡れる”程度で十分ですよ。

塗り広げは一方向→直角方向の2回で均等にします。
スポンジなどは力を入れず、ホントに滑らせるだけにしましょう。

端から端まで一気に塗らず、さっきの区画の境界でいったん止めます。
広く塗りたくなりますが、ここはぐっと我慢ですよw

シンク縁は垂れやすいので、最後に“薄く追加拭き”程度がムラ対策になりますね。
排水口まわりは溝に溜まりやすいので、それが白化の起点になったりします。

細かい場所は綿棒や小さな布で薄く伸ばし、溜まらないようにしましょうね。
そして、換気と手袋は必須です!

ムラの前ぶれと、その場で直すコツ

ムラの前兆は「虹色の膜」「白っぽい霞」「指先で引っかかる筋」です。
これらは塗り過ぎ、拭き遅れ、乾燥不足で起きやすくなります。

それに気づけた時点でいったん止めると、修復は小さく済みますね。

まず乾いた清潔な布で、同じ方向にやさしく拭き上げます。
次に別の布で乾拭きし、光の反射が均一か確認しましょう。
ここで上手く行けば、これ以上は不要ですよ。

逆にまだ霞が残る場合は、布にごく少量のコーティング剤を塗布しましょう。

薄く塗って“溶かすように”なじませ、直後に乾いた布で拭き上げます。
欲を出して塗り足しして厚くしてしまうと、かえって白化が固定されちゃいます。

さらにそれらを力でこすって消そうとすると、下地を荒らして(壊して)筋が残るので、やり過ぎは注意です。

硬化中に避けたいこと(目安:水・洗剤・摩擦)

コート剤の硬化中は表面が安定しておらず、水・洗剤・摩擦で性能が落ちるんです。
特に拭き取り直後は、目に見えない膜がまだ不安定な状態なんです。

まず目安としては、施工後1〜2時間は水を使わないようにしましょう。
水滴が付くと輪ジミや筋ムラになりやすいためです。

完全硬化は24時間程度のコート剤が多いので、その間は洗剤洗いと強い擦りを避けますよ。
製品指定がある場合はそちらを優先してくださいね。

硬化中にどうしても使う場合は最小限の使用を心がけてください。
「水は極力少量→直後すぐ拭き上げ」にして、濡れたまま放置しないことが重要ですよ。

鍋の直置きや硬いスポンジは、硬化前の膜に傷をつけてしまうのでNGです。
安全面では換気を継続し、火気は避けてくださいね。

シンクコーティングを長持ちさせるお手入れと再施工

きれいに仕上がったら、出来るだけ持たせたいですよね。
また曇ってきたらがっかりしちゃいます。

長持ちさせるポイントは2つです。
汚れをその日のうちに落とすこと。
そして、強くこすって削らないこと、です。

施工直後みたいに戻したくて強う擦ると、真っ先にコーティングの膜が傷んでしまいます。
自分なりの日々のルールを決めておけば、今日は何をするか迷わずに済みます。

掃除は「毎日」と「週1」で分ける

掃除って、完璧を目指してやり込んでると、そのうち続かなくなるんですよね…。
でも、やることを最小限に決めれば持続できると思うんです。

いちばん効く基本的なのは、使ったあとに水で流して、最後に拭くってことですね。
水滴を残さないだけで、水アカがこびりつきにくくなるんです。

拭き上げは乾いた柔らかい布があれば十分です。

毎日は、30秒で終わる程度の作業に絞りましょう。

  • 全体を水で流す
  • 油が気になる所だけ中性洗剤を少量つかう
  • すすいで乾いた布で拭く

排水口まわりは、こすらず「拭き取る」を優先します。

週1は、全体を一度きちんと洗ってキレイにしましょう。
中性洗剤で洗い、すすぎを丁寧にしてくださいね。

乾いたら、斜めからなど角度を変えて見て、筋や白い輪がないか確認しましょう。
金属たわしや硬いスポンジは、細かいキズが入りやすいので絶対に避けてくださいね。

劣化サイン?が出たときの考え方

いよいよ劣化かな?と感じる状況は、だいたい下記の3つですかね。
・水はじきがまだらになる。
・汚れが落ちにくくなる。
・くすみが取れなくなる。

これらが見え始めても、いきなり再施工には飛びつきません。
まず「汚れが残ってるだけ」か「膜が減ってきた」のかを確認しましょう。

その判断は3段階にしますよ。
①通常の洗浄で戻るか
②脱脂で水滴が同じ感じで丸くなる/同じ感じでスッと広がるか
③それでも戻らないか
※②の判定は上の方にある「拭き取りテストで脱脂不足を判定する」を参照してくださいね。

①で戻るなら、原因は付着した汚れの可能性が高いですね。
傷は浅いのですぐに立ち直れます!
毎日の拭き上げを少し丁寧にして、週1の洗浄もしっかりやりましょう。

②の脱脂で戻るなら、油膜がまた乗りはじめてた可能性が高いです。
料理後は「すすぎ→拭き上げ」を優先しましょう。

③まで進む場合は、もはや膜そのものが減ってきた可能性がありますよ。
強く磨く前に、目立たない場所で少量テストしてから再コーティング施工を行います。

シンクコーティングに失敗したときの直し方と安全のコツ

この章では、頑張ってコーティングしたのに「なんか失敗した…」場合の対処法をお伝えします。

見た目、シンクの表面が”均一”じゃない…と思ったら、下記を確認しましょう。

・たんに表面に汚れが残っているだけなのか。
・塗ったコーティングの厚みがまだらなのか=塗りむら。

ここでの見立てにより状況は変わるので、まずは目立たない場所で試すのが安全です。
最初は中性洗剤で洗って、乾いた布で軽く拭くところまで。
それで変わらなければ次の段階に進みましょう。

作業中に気分が悪くならないよう、窓を開けて換気扇も回します。
脱脂剤を使う前提で、手袋も最初からつけておきますよ。

よくある失敗は3つ(白っぽい・ベタベタ・筋が見える)

次の3つの状況はたぶん失敗してるんです…

白化は、乾燥が足りないシンク面にコート剤を塗ったり、液が溜まったりすると出やすいです。
排水口まわりや角に起きやすく、白い霞がそのまま残るんです。
排水口まわりは、ほんとにクセ者なんですよね。

ベタつきは、塗り過ぎ・拭き取りの遅れが原因になりがちですね。
硬化前に水や洗剤が当たると、さらに起きやすくなります。
中途半端な硬化状態なので、触ると指が引っかかるような感じにもなります。

筋ムラは、拭く方向が途中で変わると出やすいです。
決める区画を広く取り過ぎたり、途中から乾き始めたりすると目立ちます。
斜めの光で見ると、筋がスッと出てきます。

一方向に一筆書きみたいに拭くってのが必須動作と言ってもいいですね。

直す順番(まず弱く→ダメなら次)

輝きを戻したくて、いきなり強くこすりたくなりますよね。
でもそれをやっちゃうと、傷を増やす一方ですよ。

まずは、目立たない狭い範囲でテストしてから全体に広げりようにします。
目立たない場所で状況を見ておけば、失敗する確率が下がります。

最初はこの順でいきます。

  • 中性洗剤で洗って、十分にすすぐ
  • 拭き上げて、完全に乾かす
  • 乾いた布で、一方向に軽く拭く

これでシンク面での霞や筋が消えていくなら、原因は「表面の残留物」の可能性が高いです。
力を入れず、同じ向きで丁寧に拭くのがいいです。

次の段階は、脱脂を小面積で試して、拭き上げの結果を見てみましょう。
脱脂が上手く行ったか否かの判定は、上方の「拭き取りテストで脱脂不足を判定する」を参照してください。

それでも、そ・れ・で・も残る場合は「コート膜の厚みムラ」や「部分硬化」を疑いましょう。
全体を強く磨く前に、メーカーが想定する除去・修正手順を確認しましょう。
自己流での作業は危険です。製品容器ラベルやメーカーサイトで確認しましょう。

安全の確保:換気・保護具・混ぜない

慣れてない作業って、体への負担が読みづらいですよね。

まず、換気は必須です。
コート剤の揮発成分や洗浄成分で、目や喉がピリッとすることがあるんです。
窓と換気扇を併用し、液剤に顔を近づけない姿勢で作業しましょう。

手袋は、皮膚への刺激と脱脂剤の乾燥から守るために必要アイテムです。
目に入るリスクがある作業は、保護するためのメガネ等も装着しましょう。

「混ぜない」は最重要です。
酸性・塩素系など性質の違う洗剤を同じ面で続けると、有害なガスが出る危険があります。
洗剤を切り替えるときは、十分に水洗いして乾かしてから行います。

もちろん体調が悪い日は作業を避けましょうね。
作業中も異臭や刺激を感じたら速攻中止し、換気と水洗いを行いましょう!

まとめ:キッチンシンクのコーティングは「下地」で失敗が減る

シンクで水が弾かなくなる原因は、油膜・水アカ・微細キズで変わるとお伝えしました。
夜→朝テストと拭き取りテストで原因を絞れば、下地の塗り過ぎや脱脂不足を避けやすくなります。

下地は洗浄→脱脂→完全乾燥の順で進めて、施工は小区画に分けて「薄く塗って、早めに終える」手法がいちばん安定します。
コート剤の硬化中は水・洗剤・擦るなど外的要因を入れないのが鉄則ですよ。

もしムラや白化が発生しても、あわてて全体を触らなくて大丈夫です。
目立たない場所の小範囲で試しながら、徐々に確認して行きましょうね。

最後までお読みいただきまして、ありがとうございました!

要点リスト

  • 原因は油膜・水アカ・微細キズで分かれる
  • 夜→朝テストで戻る汚れを見分ける
  • 脱脂は小面積の拭き取りテストで判定する
  • 下地は洗浄→脱脂→完全乾燥の順でやる
  • 研磨や強い擦りは艶ムラの起点になる
  • 施工は区画を分けて薄塗りで進める
  • ムラの前兆は虹色・白い霞・筋が発生する
  • 硬化中は水・洗剤・摩擦を入れない
  • 維持は拭き上げ中心で水滴を残さない
  • 失敗時は弱い方法から小面積で戻す
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